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外国人の採用を考えている場合、まずは、面接の段階で在留カードを見せてもらいましょう。その外国人が就労可能な在留資格を持っているのか、任せたい仕事の内容が在留資格の範囲内の活動か、在留期間が過ぎていないかなどを確認します。
採用する外国人がすでに何らかの在留資格を持っている場合は、その在留資格のままで雇用できるのかどうかを考えます。
身分に基づく在留資格とは、入管法別表第2で示されている「日本人の配偶者等」「永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格です。 これらの在留資格を持っている外国人は就労するにあたって制限がありません。どの会社のどのような仕事であっても、日本人と同様に就労できます。また、帰化した外国人は日本国籍なのでもちろん就労制限はありません。
入管法別表第1の在留資格で在留している場合、外国人は、それぞれの在留資格に対応する活動に属しない就労活動は行ってはならないとされています。
別表第1の在留資格は、在留資格の範囲で就労可能な在留資格(別表第1の1、第1の2、第1の5(※類型によっては就労可能))と、原則として就労不可の在留資格に分かれています。
例えば、在留資格の範囲内で就労可能な「技術・人文知識・国際業務」の在留資格保持者の場合、転職先の会社でも「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務を行う場合は、採用時には在留資格について特に手続きは必要ありません。
しかし、「留学」の在留資格のように原則として就労不可の在留資格で在留していた外国人を大学卒業後に新規採用するような場合は、「留学」の在留資格を「技術・人文知識・国際業務」などの就労可能な在留資格に変更する必要があります。
外国にいる人材を新たに採用する場合は、在留資格を持っていないので、在留資格取得のための手続きが必要になります。
一般的には、
1. 「在留資格認定証明書」の取得
2. 在外公館で査証(ビザ)の発給を受ける
3. 日本に上陸する際に上陸審査を受け、在留資格及び在留期間の決定を受ける
という手続きを取ります。
新たな就労活動が、その外国人が現に有している在留資格の範囲内で行うことができる活動である場合は、基本的にそのまま転職先で就労活動を行うことができます。しかし、新たな就労活動が、その外国人が現に有している在留資格の範囲内で行えない活動である場合は、在留資格の変更が必要です。
「高度専門職1号イ」、「高度専門職1号ロ」又は「高度専門職1号ハ」の場合は、転職しで勤務先が変わる場合に在留資格の変更が必要なので注意が必要です。
「特定技能」の在留資格の場合は、勤務先の企業の変更又は特定産業分野の変更をする際、在留資格の変更が必要です。
本来の在留資格の範囲外での就労を希望する外国人を採用する場合は、「資格外活動の許可」を得ているかどうかを確認します。留学生をアルバイト採用する場合に利用されることが多いです。
入管法は、身分に基づく在留資格以外の在留資格を有する外国人については、
1. 就労資格又は「特定活動」の在留資格を持つ外国人はそれぞれの在留資格に対応する活動に属しない就労活動を行ってはならない
2. 非就労資格をもって在留する外国人は就労活動を行ってはならない
と定めています。
これらの活動は「資格外活動」にあたり禁止されていますが、「資格外活動の許可」を得ることにより、可能になります。ただし、在留資格をもって在留する外国人は、その在留資格に対応する活動を行うことで在留を認められていますので、その在留資格に基づく活動をメインとして行うことは大前提となります。したがって、資格外活動を行う場合は、在留資格に対応する活動の遂行を阻害しない範囲内で行うことことになります。
資格外活動許可は「包括許可」と「個別許可」の2つに区分されます。
通常,留学生がアルバイトのために取得している資格外活動許可は「包括許可」です。これは,「1週間のうち28時間以内(※)」という条件付きで,逐一勤務先等の指定がされない,包括的な資格外活動が許容される許可の種類です。
(※)教育機関の長期休業期間にあっては,1日につき8時間以内に延長されます。
他方「個別許可」とは,予定する資格外活動が,上記の包括許可の時間制限を超える場合や,客観的に稼働時間の管理が困難な場合等に取得するものです。こちらは包括許可と違い,活動先の機関名や活動期間等が個別に指定され,指定された範囲内のみでの資格外活動が許容されます。留学生の有償型インターンシップへの参加が代表的な例です。
在留資格一覧はこちら資格外活動許可の範囲内で就労が可能です。包括許可を受けている人材を採用する場合は、1週間につき28時間以内、教育機関の長期休業期間中は1日につき8時間以内の制限がありますので、制限を超えることがないように注意しましょう。
外国人を採用する際は、その外国人の日本語レベルを確認することも必要です。どれだけ優秀な技術を持っていても、日本語レベルが低いと自分の実力を発揮できません。
また、他の日本人や外国人との労働者とのコミュニケーションにも問題が起こり、仕事のミスなどに繋がる恐れがあります。
外国人を採用する際は、公的な試験の結果などもヒアリングしましょう。
外国人の日本語能力を測る試験として、採用や評価の基準として使用されることが多いのは日本語能力試験(JLPT)です。他にも、国際交流基金日本語基礎テスト、日本語NAT -TEST、J.TEST実用日本検定など、様々な日本語能力を測定するテストがあります。まずは、入社時に最低限必要な日本語能力を測定し、その後はその外国人に適した試験を定期的に受験してもらい、日本語能力の向上を目指していただくことが望まれます。
日本語能力試験(JLPT)とは
概要:「言語知識(文字・語彙・文法)」「読解」「聴解」の3区分から言語コミュニケーション能力を測るマークシート方式の試験。
級(レベル):1級〜5級の5つのレベルの試験(1級の方がレベルが高い)。
判定基準:180点満点の内、各レベルに応じて定められている合格点と上記3区分ごとの基準点の両方に達する必要がある。
認定の目安 ※数字が小さくなるほどレベルが高い
開催頻度:年2回(7月、12月の第一日曜日)
HP在留資格を取得するために日本語能力が必須条件になっている資格は一部のみです。しかし、日本語がまったくできなくても就労ビザを取得できるわけではありません。業務に必要な日本語能力がなければ、実際に仕事をすることはできないので、就労系の在留資格の認定申請をする際は、業務内容に応じた日本語能力を証明しなければなりません。各在留資格でどれくらいの日本語能力が必要なのかの目安は以下をご覧ください。
就労ビザの代表格とされる「技人国」は、申請の際に日本語能力を必須としていません。ただし実際の審査では具体的な仕事内容に応じた日本語能力が求められます。採用の際日本語能力検定N1かN2のレベルを求める企業が多いです。
「技能」の在留資格は、外国人の持つ特殊な技能を生かした仕事、たとえば調理師やパイロット、スポーツトレーナーなどの仕事に就くための就労ビザです。こうした仕事では日本語能力がそれほど必要とされないため、審査の際に日本語能力が問題になることは少ないと考えられます。
高度人材は、高い能力を持つ外国人にポイントを付与し優遇する在留資格です。日本語能力テストは必須ではありませんが、BJTビジネス日本語能力テストのスコアが480点以上なら15ポイント、400点以上なら10ポイントが加算されます。
特定技能は他の在留資格と異なり「日本語能力テストの合格が必須」とされています。
具体的にはJLPTのN4以上か、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2以上の合格が必要です。
※介護分野の仕事に就く場合は、上記の日本語能力試験合格に加えて「介護日本語評価試験」の合格も必須
2019年5月に始まった「サービス業や製造業のための特定活動(特定活動第46号)」では、認可要件として「日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テストで480点以上」という、非常に高度な日本語能力が求められています。
その他の就労ビザ、たとえば「医療」「介護」「法律・会計業務」などの在留資格にも高い日本語能力が必要です。
外国人を雇用したときは、当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ます。
詳細は、「外国人雇用を行う際の雇用保険・社会保険手続き」の記事をご覧ください。
外国人を雇用した場合であっても、日本人と同様に労働基準法や、労働基準関係法令が適用されます。
労働基準法第89条にて、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」と規定されています。外国人を含めて、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出る義務があります。
すでに日本人社員向けの就業規則を整備している場合も、外国人向けの就業規則を新たに整備するメリットがあります。
詳細は「外国人材の雇用時に就業規則の変更は必要?」の記事をご覧ください。
均等待遇の原則とは、「パートタイム・有期雇用労働法」にて定められた原則で、正社員と職務内容(職務の内容・配置の変更範囲)が全く同じであれば、パートでも、有期契約労働者でも同一の待遇が要求されるものです。
一方均衡待遇とは、同じく「パートタイム・有期雇用労働法」にて、正社員と職務内容が異なる場合、その違いに応じて合理的な格差を設けることは可能とするものです。
外国人材を雇用する場合も「パートタイム・有期雇用労働法」は適用されるため、特にパート(短時間)や有期契約で外国人を雇用される企業様は、ご注意ください。
外国人労働者も、要件を満たす場合は、社会保険(健康保険、厚生年金保険)、雇用保険に加入します。また、企業が外国人を採用した場合は、当然に労災保険が適用となります。
例外として、日本が社会保障協定を結んでいる相手国からの被派遣者は、日本の社会保険に入らず、自国の社会保険制度に加入を続ける場合があります。
詳細は、「外国人雇用を行う際の雇用保険・社会保険手続き」の記事をご覧ください。
社会保険の二重加入を防ぐこと、将来の老齢年金受給に必要な年金加入期間の通算を目的として、日本と外国間で締結されている協定です。
日本企業が、海外の親会社や子会社などの関連会社から派遣されてくる社会保障協定の対象外国人(転勤者)を受け入れる場合、受け入れ期間が5年を超えないと見込まれる場合は、日本の社会保険への加入が免除されます。
相手国との間で、年金の受給資格を通算できる内容の社会保障協定を結んでいる場合は、両国間の年金制度の加入期間を通算できます。
次の項目でご説明する「脱退一時金」は受け取ると、加入期間はリセットとなり年金加入期間の通算はできません。そのため、社会保障協定を利用して年金加入期間を通算するのか、年金脱退一時金を受け取るのか比較検討する必要があります。
厚生年金保険については、保険料が掛け捨てになるのではないかと、外国人労働者が加入を嫌がるケースが多いです。保険料の掛け捨て防止のために、日本の保険制度(国民年金・厚生年金・共済年金)に6ヶ月以上加入すると「脱退一時金」が支給されます。
脱退一時金の支給要件
①~④の全ての要件を満たすこと
脱退一時金の金額
金額の計算は、国民年金の加入期間か、厚生年金の加入期間かによって異なります。
詳細は日本年金機構HPをご確認ください
健康保険・厚生年金や労災保険・雇用保険は日本で就労する以上、外国人も等しく適用されます。それでは、採用した外国人が加入を渋っている場合はどのように対応したらよいでしょうか。下記の内容をしっかりと外国人に説明し、納得のうえ保険に加入してもらいましょう。
「在留資格の変更、在留期間の更新許可ガイドライン」(令和2年2月改正・法務省)によると、外国人労働者が在留資格変更と在留期間更新申請を行う場合、健康保険証の提示が求められます。保険証を提示できなくても、そのことだけをもって不許可にすることはしないと明示されていますが、明らかに社会保険の適用事業所で働く加入対象者なのに健康保険証を提示できないとなれば、申請が不許可となる可能性がないとはいえません。
「永住者」への資格変更の許可要件のひとつに、「納税義務等公的義務を履行していること」があり、外国人個人の過去の納税証明書や課税証明書を提出しなければなりません。それらには、社会保険料の納付履歴も記載されますので、滞納している場合は、永住者への変更が許可されることはないでしょう。
給与が決まれば、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の概算額を算出することができます。(労災保険は使用者のみ保険料を負担します)後から、トラブルにならにように実際の保険料見込み額を提示しましょう。
健康保険に加入すれば、医療機関での治療、薬代が3割負担になります。また、私傷病や出産での休職時には手当金が支給されます。雇用保険に加入すれば、離職時に失業給付がもらえますし、育児や介護のための休職期間に給付金を受けることができます。
保険に加入することによって、どのようなメリットがあるのか説明して、納得して保険に加入してもらうことが大切です。
外国人にも納税義務があります。なお、詳細は、税理士・公認会計士など、税務の専門家にご確認ください。
住民税は、1月1日時点で日本に住所があり、一定額以上の給料などをもらっている人であれば、外国人の方でも住んでいる市区町村に支払う必要がある税金です。
住民税の支払い方法
(1)給与からの天引き(特別徴収)
会社が、あらかじめ、給料から住民税を差し引き、市区町村役場に支払います。会社で働く人はこれが原則であり、自分で市区町村役場に住民税を支払う必要はありません。
(2)自分での支払い(普通徴収)
毎年6月頃に、市区町村から、「住民税を支払ってください」という手紙(納付書)が届きます。この納付書と納付書に書かれている金額のお金を持って金融機関などで支払います。
外国人労働者の住民税について注意すること
●外国人を雇用する場合でも、日本人の従業員と同様に特別徴収を行う必要があります。
●特別徴収をおこなっている外国人が、会社を辞めることになった場合は、支払っていない住民税を普通徴収の方法によって支払う必要があります。ただし、会社が支払っていない住民税の全部を給料や退職金から差し引き、市区町村に支払う方法(一括徴収)もあります。
※1〜5月に退職する場合は、必ず一括徴収を行う
●雇用する外国人が、帰国することになり、日本から出国するまでの間に住民税を支払うことができない場合は、出国する前に、日本に住んでいる人の中から、自分に代わって税金の手続きを行う人(納税管理人)を決めて、住んでいる市区町村に届け出る必要があります。
※参照
総務省HP外国人でも、所得税の納税義務があります。
永住者はすべての所得が課税対象となり、非永住者は日本国内で支払われた給料が課税対象、非居住者は日本国内で得た所得が課税対象となります。税率は非居住者が原則20%であり、その他は一般の日本人と同様です。
居住者とは日本に住所を持っている、または現在まで1年以上住所がある者のことで、それ以外は原則として非居住者となります。
外国人雇用を得意とする事務所
広島に社会保険労務士事務所はたくさんありますが、社会保険労務士 松本小夜子事務所は、特に外国人雇用を得意とする事務所です。外国人の保険加入手続きは、原則は日本人と同じですが、加えて特別な届け出が必要です。また、日本の保険制度に不慣れな外国人社員には社会保険、労働保険についてしっかりと説明することも大切です。外国人雇用を得意としている当事務所であれば、安心してお任せいただけます。
行政書士事務所+社会保険労務士事務所
当事務所は、行政書士事務所として、入管手続きのサポートはもちろん、社会保険労務士事務所として採用・労務管理のアドバイスも可能です。外国人雇用に関することをまとめてご依頼いただけます。
広島行政書士会 国際業務協議会会員
担当行政書士は、広島行政書士会国際業務協議会の会員です。行政書士同士のネットワークをいかして、外国人雇用業務、入管業務について情報共有し常に新しい知識の習得を心がけています。外国人雇用に関連する就労系在留資格の申請も、安心してお任せいただけます。
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