- 2025.07.13
- 障害年金サポート
精神遅滞(知的障害)による20歳前傷病での障害年金申請について
精神遅滞(知的障害)とは
精神遅滞(知的障害)とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるものをいいます。
なお、知的障害であるかどうかの判断基準は、以下の通りとされています。
厚労省HPより抜粋:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/101-1c.html
次の (a) 及び (b) のいずれにも該当するものを知的障害とする。
(a) 「知的機能の障害」について
標準化された知能検査(ウェクスラーによるもの、ビネーによるものなど)によって測定された結果、知能指数がおおむね70までのもの。
(b) 「日常生活能力」について
日常生活能力(自立機能、運動機能、意思交換、探索操作、移動、生活文化、職業等)の到達水準が総合的に同年齢の日常生活能力水準のいずれかに該当するもの。
精神遅滞(知的障害)で障害年金は受給できるのか
※精神遅滞(知的障害)は20歳を過ぎてから判明する場合もありますが、この記事では、20歳前に初診日がある精神遅滞(知的障害)について記載します。
精神遅滞(知的障害)での障害年金受給要件
次の1、2すべての要件を満たしているときは、障害基礎年金が支給されます。
- 障害の原因となった病気やけがの初診日が20歳前
- 障害の状態が、障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること。
通常、障害年金は年金の納付要件を満たしていなければ申請できません。しかし、精神遅滞(知的障害)の場合は、年金の納付義務が発生する20歳よりも前に初診日がくることがほとんどです。この場合は、年金保険料の納付要件は問われません。
精神遅滞(知的障害)での障害認定日
基本的に、障害認定日は20歳の誕生日です。
障害認定日に法令に定める障害の状態にあるときは、障害認定日の翌月分から年金を受給できます。
精神遅滞(知的障害)で障害年金を受給できるときの年金額
20歳前傷病の場合は、年金の納付要件は問われず、障害基礎年金の対象となります。
- 障害基礎年金1級(令和7年4月分~)
昭和31年4月2日以後生まれの人・・・1,039,625円+子の加算
昭和31年4月1日以前生まれの人・・・1,036,625円+子の加算
- 障害基礎年金2級(令和7年4月分~)
昭和31年4月2日以後生まれの人・・・831,700円+子の加算
昭和31年4月1日以前生まれの人・・・829,300円+子の加算
※子の加算額
2人目まで・・・一人につき239,300円
3人目以降・・・一人につき79,800円
20歳前傷病の時のみ適用される「支給制限」とは
20歳前傷病には、年金保険料の納付要件が適用されない代わりに、「支給制限」が課されます。支給制限には以下の3種類があります。
①所得による支給制限
前年の所得額が4,721,000円を超える場合は年金の全額が支給停止となり、3,704,000円を超える場合は2分の1の年金額が支給停止となります。
なお、扶養親族がいる場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。
②恩給や労災保険の年金等を受給しているときの支給調整
恩給や労災保険の年金等を受給しているときは、その受給額について障害基礎年金の年金額から調整されます。
③海外に居住したときや刑務所等の矯正施設に入所した場合の支給制限
海外に居住したときや刑務所等の矯正施設に入所した場合は、年金の全額が支給停止されます。なお、矯正施設に入所している場合でも、有罪が確定していなければ支給停止とはなりません。
詳細は、日本年金機構のHPに掲載されています。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20200805.html
精神遅滞(知的障害)での障害年金請求のポイント
ここでは、精神遅滞(知的障害)特有の障害年金の申請ポイントをお伝えします。
幼少期から認定日までの成長の記録が役立つ
精神遅滞(知的障害)で障害年金申請をするには、出生から現在までの就学・就労・日常生活状況を、「病歴・就労状況等申立書」にまとめて、提出する必要があります。
精神遅滞(知的障害)の疑いや、発達の遅さを感じて初めて病院を受診した日のこと、療育の状況、幼少期の様子、小中高校での様子、障害者雇用での就労状況などを文書にまとめる必要があります。母子手帳や、医師の意見書、療育の記録などが大変役に立ちます。
20歳の誕生日前日の前後3か月以内の診断書が必要
認定日は、20歳に達した日(20歳の誕生日の前日)となります。認定日の前後3か月間の状態を示した診断書を医師に作成いただく必要があるため、この時期に病院に行き、医師の診断を受けることがとても重要です。医師の診断を受けていない場合は、認定日の診断書を入手することができず、認定日の翌月から障害年金を受給することができなくなります。精神遅滞(知的障害)の場合は、症状が変わらず、薬の服用も不要なため、20歳頃に通院していない方が多くいらっしゃいます。その場合は、認定日の翌月からの受給は諦め、現在の診断書を医師に書いていただいて請求し(事後重症請求)、申請日の属する月の翌月分から受給することになります。
障害者雇用で働きながら受給することも可能
通常、障害者雇用で勤務している場合、障害年金2級相当と認められることはありません。しかし、精神遅滞(知的障害)があり、幼少期から療育を受け、障害支援学級、障害支援学校等に通学されていた場合は、障害者雇用で働きながら、障害年金2級を受給できることが多いです。障害者雇用は通常の雇用よりも賃金が低く抑えられるため、働きながら障害年金を受給できれば、金銭的な余裕が生まれると思います。
精神遅滞(知的障害)での障害年金申請書類・添付書類
① 障害基礎年金申請書
② 診断書
③ 病歴・就労状況等申立書
④ 住民票(マイナンバーあり)
⑤ 所得証明書 ※所得制限の確認をするため
⑥ 療育手帳の写し
⑦ 受診状況等証明書
(療育手帳にて18歳6か月までに初診日があることが証明できる場合は、不要)
⑧ 知能検査の検査結果
- 個別のご状況により、追加の添付書類が必要な場合はあります。
障害年金のご相談は、広島の社会保険労務士 松本小夜子事務所へ
当事務所は障害年金専門の社会保険労務士事務所です。年金の申請を代行できるのは国家資格である社会保険労務士に限られています。特に障害年金については、事案により必要書類や申請の種類(認定請求、事後重症請求、遡及請求)も異なるため専門の知識と経験が必要となります。当事務所では無料相談にて、申請のポイントなどもお伝えしています。
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