- 2024.11.23
- 外国人在留資格申請
「育成就労制度」とは?いつからスタート?転籍可能な条件は?
令和6年6月21日、「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(いわゆる技能実習法)の一部と改正する法律」が公布されました。技能実習制度と抜本的に見直し、日本の人手不足を補うための「育成就労制度」が創設されます。
1.育成就労制度はいつから始まる?技能実習生はどうなる?
育成就労制度は、2024(令和6)年6月21日から3年以内の政令で定める日に施行されます。おそらく2027(令和9年)4月または6月の施行となると考えられます。
施行後も移行措置が取られ、技能実習制度がいきなりなくなることはありません。施行日前に入国し、技能実習を行っている場合は、引き続き技能実習を行えます。また、施行日前に技能実習計画の認定申請をしている場合は、施行日以後でも技能実習生として入国できる可能性があります。施行日に技能実習1号で在留する場合は、2号への移行も可能です。技能実習2号で在留している場合は、3号への移行には制限が設けられます。技能実習から、育成就労に移行することはできず、技能実習後在留を続けるには特定技能等に在留資格を変更する必要があります。
2.育成就労制度の概要
- 「育成就労制度」の目的は、日本で人材不足が顕著な育成就労産業分野にて、人材を確保することです。特定技能1号の技能レベルの外国人を3年間かけて育成するもので、特定技能0号(ぜろごう)とも考えられます。
- 「育成就労制度」は、育成就労産業分野ごとに分野別運営方針が策定されます。分野ごとに受け入れ上限数が決まり、その範囲内で受け入れていくことになります。ここは、特定技能制度と同じ枠組みです。
- 育成就労外国人毎に「育成就労計画」を作成し、外国人育成就労機構の認定を受けて、受け入れが可能となります。現在、技能実習計画をたて、技能実習機構の認定を受けて技能実習生を受け入れている方法と同様です。
3.育成就労制度・特定技能・技能実習制度の違い
| 在留資格 | 技能実習制度 | 育成就労制度 |
| 目的 | 国際貢献、人材育成
※「人材確保」なし |
人材育成、人材確保
※「国際貢献」なし |
| 在留期間 | 1号:~1年
2号:~2年 3号:~2年 最大5年 |
原則通算3年 |
| 監督機関 | 外国人技能実習機構 | 外国人育成就労機構 |
| 計画 | あり | あり |
| 就労開始時の日本語レベル | なし(介護はN4) | 原則N5(A1)(分野により上乗せ)
または相当講習 |
| 転籍 | 本人意向の転籍は原則不可 | 転籍可能(条件あり) |
| 職業紹介 | 監理団体 | 監理支援機関 |
| 職種・作業
分野・区分 |
分野は原則限定無し
職種・作業(仕事内容)により受け入れ可否が決定 |
産業分野
+ 業務区分(仕事内容) ※仕事内容だけでは受け入れ可否が決定しない |
4.育成就労制度のポイント
求められる日本語能力
技能実習は、入国前の日本語能力に基準はありませんでしたが、育成就労は、入国前にJLPT N5(日本語能力A1)の取得か、相当講習が義務付けられます。また、転籍する際の条件として、JLPT N5(日本語能力A1)の取得が必要です。特定技能に移行する際はJLPT N4(日本語能力A2)の合格が必要となります。特定技能2号への移行時は、さらにJLPT N3(日本語能力B1)合格が必要です。分野によっては、日本語能力の上乗せも可能です。
職種
技能実習の「職種・作業」の考え方ではなく、特定技能の「分野」+「業務区分」の考え方に統一されます。
転籍可能
技能実習では、技能実習2号から3号への移行時またはやむを得ない事情がある場合に転職が認められています。育成就労では、「やむを得ない事情がある場合」に加えて、「本人の意向」による転職が認められます。この場合の条件は以下の通りです。全てを満たす場合の転職が可能となります。
(1)同一機関での就労が1年以上
※分野によって2年以下の範囲で延長可
(2)技能検定基礎級合格
(3)JLPT N5(日本語能力A1)合格
※分野によって上乗せ可
(4)同一業務区分
(5)受け入れ先企業が適切である
5.育成就労移行後の企業の課題
- 育成就労外国人の会社への定着
育成就労の外国人は、「転職」可能であることが特徴です。賃金の安い地方から、賃金の高い都会に転職していってしまう可能性が十分にあります。せっかく受け入れて育ててきた育成就労外国人が、会社に定着・定住するように、会社の就労環境や、外国人の生活環境を整え、外国人にとって魅力ある会社作りを考えていくことが大切です。
- 日本語教育
育成就労制度では、技能実習制度よりも「日本語能力」を重視しています。日本語の勉強をしない育成就労外国人は、日本で働き続けることが困難です。会社の日本語教育サポートや日本語のレベルアップのためのスケジュール管理も今まで以上に必要になります。
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